2013年1月31日木曜日

天国の夫が傾聴相手

 今日の南三陸町(写真左)は朝から晴天に恵まれ暖かい一日でした。

仮設住宅は津波の被害が無い高台に作られていますし、建物の構造上、風の通り道にもなりやすいのでしょうか・・・。ここ数日の活動でカフェを行ったり個別訪問を行ったりしていても、なかなかで歩く人と出会う事も少なかったですが、今日仮設住宅を訪れると何人もの方に出会え、なんだか気持ちがホッとしました。

 そのような中、仮設住宅のベランダに腰掛けてる高齢の女性Bさんとの出会いが、今日はとても嬉しくなりました。

 ベランダから見える部屋には、仏壇がありご主人と思われるご遺影がありました。Bさんは遺影を見せながら話してくださいました。それによると、ご主人は震災前にガンで亡くなったそうです。もう3年にもなるようです。積極的治療が出来ないと分かると、ご主人は家に帰る事を選ばれました。自宅で介護をしながらBさんは一緒に最期まで暮らしていたそうです。「悔いが残らないほど、しっかりと看護をした」とBさんは誇らしげでした。震災で流された後に、こしらえたのでしょうが、遺影の写真の笑顔は二人の仲の良さを表しているかのようでした。Bさん、「テレビで水戸黄門や相撲があると、おじいちゃんの写真をテーブルに置いて、一緒に見るのさ」と・・。「なんでも、おじいちゃんに話をするのさ、何があったとか、こうしたとか・・・なんでも話をするのさ」とも。Bさんにとっては、おじいちゃんが話を聴いてくれる相手のように感じました。おじいちゃんが、傾聴してくださるんだと・・・。
 Bさんは、「震災でも家族が流された・・・その後も親戚が立て続けに亡くなった。最近は2人も・・。涙が、枯れる暇はないくらい・・だからじいちゃんに向かって泣いているのさ」と涙ながらに最後に話していましたが、おじいちゃんがその悲しみさえもしっかりと受け止めているように感じました。
 私も、おじいちゃんに手を合わさせてもらえました。心からBさんをお守りくださいと願えました。

 午後は、昨日カフェを行った「自然の家」にカフェ調整に出かけました。
昨日、報告しましたが、今後しばらく毎週1回、HUGハウスでカフェを行うこととしました。地元住民のSさんも喜んでくさり、手伝ってくださるようです・・・(二人目の「心香サポーター」) 住人の方々が集える機会から、自主的な動きと支え合いが新たに生まれますように願います。(記:宇根)



2013年1月30日水曜日

支援活動を地元の活動へ~役場への相談~


今日は戸倉地区の「自然の家仮設住宅」でのケアカフェ開催と個別訪問の日でした。 カフェを開きながら、カフェには参加できない方々を訪問する班に分かれて始まりましたが・・・、
 
 カフェの開始時間になっても初めは集会室にはスタッフだけ(写真左)という状態・・・、何時ものように仮設内を声かけして回ると(写真下左)、寒風吹き荒れる中自室から出られる方が少ない事、ワカメ漁の開始で不在が多かった事、インフルエンザや体調を崩している方が多い事、等など要因は幾つもあるのが分かりました。コミュニティーつくりや話しが出来る場、そしてケアを受けられる場所作り等の必要性は分かっていても、それを現実にしていくためには沢山のハードルがあるという、これが現実だと思います・・・。
 
 しばらくすると、4人のの参加がありましたが、参加者の方と話をして行くうちに、「集会室を使って集まりたいけど自分たちだけでは集まれない・・・」「やっぱり、なんとか集まって話しをしたり聴いたりする場所や、何かをするような事もしたい」という声をいただきました。
 現在、この仮設でのカフェ実施は二ヶ月に一度の頻度になっていますが、コミュニティー作りへの手伝い・引きこもり防止のために、もう少し頻度を上げて協力する事も大切だと考えました。そこで、今後は自治会長と相談し可能な範囲で集会室を借りて開き、集まれる機会作りを手伝う事を考えてみたいと思います。幸い住人の中で、準備や声かけ等の手伝いをしてくださる方(「心香サポーター」)を引き受ける方もおられましたので、その方と一緒に小さいな集いからでも始められないかと検討したいと思います。このカフェのひとつの形が、自主的な集まりへと繋がりながら、互いに心を支え合えるコミュニティーへと進む力になれればと期待したいものです。

 一方、カフェと同時に、スタッフの半分は個別訪問を行いました。コーヒーデリバリーを行ったスタッフも。デリバリーのひとつでは、「自然の家かあちゃんクラブ」(SKC)の皆さんが手芸を行っている部屋を訪れました。以前から、多くの作品を手がけているメンバーは今日も一生懸命に作品作りに励んでおられ出来上がった作品は、とても素敵なものばかりでした。ほんとうに、メンバーの皆さんの努力に頭が下がります。


 午後は、地元スタッフのるみちゃん・ようちゃん・えみちゃんは役場に・・・。今、行っている活動が町の大事な取り組みになることを説明しつつ、必要な事業として支援を頂く可能性を探すのが目的でした。対応してくださった職員は、地元住民であるスタッフが行っている活動を真摯に評価して下さり、支援を受ける方法を丁寧に教えてくださいました。スタッフたちも大喜びでした、緊張の中、3人で力と知恵を合わせて頑張れたようです・・・、
 以前も、地元スタッフのすみちゃん・ゆうちゃんが役場への援助金申請の相談に行き頑張りましたが、また今日のようにも、この町の住人が自分たちの町のために心のケアが必要で、その活動を続けてくために住民が行動する事もとても大切だと感じます。地元住人が必要だと声を挙げ進んでいく動きが更に大きくなるように、願います。(記:宇根)


2013年1月29日火曜日

震災以前の課題が止まったまま・・

津波の被害を受けた戸倉中学校の校舎に設置されている時計(写真左)は、今でもあの震災の時間を刻んだまま止まっています。
 町の他でも止まった時計を目にしますが、住民の心も震災から止まったままの方が居られるのを感じます。しかし、震災以前の家族間の課題が解決されていないまま時間が止まり、止まった関係で今も暮らしている方々も多くあるのでしょう・・・。

 今日は、ある家族との出会いがありました。お嫁さんが津波の被害に合い、今でも未だ見つかっていないようです。出会った女性とそのお嫁さんとの関係には、震災以前こ大きな課題を抱えたままでした。その修復がなされないまま、津波は家族を襲いお嫁さんが帰らぬ人に・・・。分かれてしまったお嫁さんとの関係を今になってはどうすることも出来ないのでしょうが、その方は毎日お嫁さんを祭っている仏壇に手を合わせていると聞きました。何を思って手を合わせているのかまでは聴くことはできませんでしたが・・・。課題が解決できないまま別れがあったり、或いは会えなくなってしまったりした後に残る思いや悲しみは、どのように癒され回復していけるのでしょう? 考えさせられる出会いでした。


 今日の午前中は、戸倉中学校仮説住宅でのサプライズカフェと個別訪問でした。戸倉中学校仮設住宅ではケアカフェは開いていません。日常的に集会室を利用してお茶会を開いているので、今日はそのお茶会に混ぜていただきながら出会いを作り個別訪問も行う予定だったのですが・・・。

 仮設に到着してみると、集会室は別の行事が入っており、お茶会だと思っていた私たちの思惑も外れてしまいました。しかたなく、個別訪問と情報収集を行いましたが、寒風吹き荒れる中での活動にも限界があり早めに切り上げることに。それでも個別訪問ではお二人訪問が出来、新しい出会いもありました。「話を聞いてくれるような人が来るのは、入居依頼はじめただよ・・・」と思いを分かち合ってくださる初めての出会いには、スタッフも嬉しくなったようです。又、久しぶりの出会いに喜ばれ、外までお見送りに出てきている姿には(写真上左)心、温まりました・・・ありがとうございました。

  午後には、地元スタッフは小森地区と横山方面へ継続して関わっている方々へ個別訪問を行いました。
 元気そうにしていて明るい人だと感じていた方が、こぼした「あの時に、私も死んでしまったら良かった」と言う表現に、訪ねたスタッフはドキリとして考えさせられたようです。あくまでこちらの主観で出会いを決めないようにすること・・・この大切さを改めて学んだようです。
 また、これまで集会室が無かった仮設住宅に、新しく集会室が出来上がっている(写真右)情報もありました・・・、これからでも、住人同士で集まれるような場所になっていける事を期待したいものです。

 報告が遅くなりましたが、代表の「ハグちゃん」こと堤は、1/25日から大阪・神戸に個別のケアと報告会のために出張していました。今晩、帰省予定です。大阪での報告会の報告は後日でもアップできればと思っています。(記:宇根)




2013年1月28日月曜日

今日の「命の叫び」

今日、仮設住宅の集会所に張り出された今後の高台移転のイメージ図(左)を見ながら話を聞かせていただきました。黄色い部分が高台移転先として行政が構想していると、住民の方は話していました。

 今、南三陸町内のある地区では高台移転をするか、別の場所に家を構えるか・・・の判断に迫られているようです。行政としても、時期を決めて高台移転希望者の数を把握をしたいのでしょうが、住民は今後の生活や住処を決める重大な判断を、決められた時間内にしないといけなく大変だと感じました。
 将来の不安をぬぐいきれないまま、重大な決断をしないといけない今・・・。共に生活する家族同士の十分な話し合いがなされ冷静に判断ができることを願いますし、又そのための十分な情報が提供されるように希望したいものです。


 今日の午後の個別訪問では、
*「・・・いいことなんて、一つも無い・・・もう、早く死にたいくらい。あの世に行きたくないと思う人もいるけど、自分はあの世に早くいってもいいと思う」
*「仮設住宅では生き苦しくて・・、もう、死にたいと思う」
*「私よりは、同居している娘の方が心配。かって仕事をしていた時の忙しさは楽しかったみたい・・でも、今の仕事の忙しさは辛いだけの様子・・・一緒に暮らしているだけに娘と共に暮らしてくことになるし、この娘を置いて自分ひとりでの暮らしは考えられないし」
 ・・・等、命の痛みの叫びが幾つもありました。
 ひとり暮らしの男性。町から離れた仮設住宅から何キロも離れた志津川の町に買い物に来ている女性。そして家族との生活を考えれば自分の意向を二の次にしないといけない母親・・・と。
 被災した町の移転や自宅再建等が少しづつ動いてる中でも、このような叫びが町の住人の中には多くあるのが分かります。私たちの活動は、人数や時間の制限があり、必要とされる方々までは回れないですが、それでも、このような命の叫びに、大事にしっかりと向き合っていきたいものです。

  今日は、午前中に志津川地区の廻館仮説住宅で「心のケアカフェ心香」を開きました。

 参加者は7人。多くの住人が働きや用事で留守の中、カフェに参加出来る方々は少ないですが、このカフェでしか話せない方々やカフェを行った際の訪問を待っている方もおられるため、尊い時間だと感じています。このカフェでの出会いから、ある方は徐々に心を開き開放されつつある姿を見せてくださいました、その笑顔が今日のスタッフの大きな喜びでした。この笑顔が真心からのものになっていけますように期待して次回のカフェを待ちたいと思います(記:宇根)




2013年1月25日金曜日

重荷を背負っている人と共に生きる

 今日の活動は、個別訪問とカフェを行いました。

 個別訪問は、カフェの終了した午後から隣接する登米市に立っている仮設住宅へ。昨年より、関わりを続けている方を訪ねました。震災という衝撃、その後に仮設住宅への入居の大変さ、それから始まった親の介護の苦労、そして最近では親戚の死別と、苦労に苦労を重ねてきている話を聴いてきました。「何か重いおもいしを乗せられている感じがするくらい、聴いていて重たくなった・・」とミーティングで分かち合ったスタッフ。聴いた自分と相手の距離感を保たないと、受け止める側が疲れてしまいかねません。スタッフ同士、分かち合いながら相手との距離感を保とうとしているのには、日頃の学びの成果だと関心します。
 今日出会ったその方の、心が潰れてしまわないように、どう関わっていけるか・・・、「またお願いします」と再会を希望された思いに応えていけるように、スタッフも頭と心を砕いていくことになりそうです。
 

 今日のカフェは、志津川中学校で行いました。新しい年に入って、初めて中学校でのカフェになります。

 カフェに参加されたの中には、未だ知らない人同士もあり、自己紹介からのスタートでした。中学校のグランドに立つこの仮設住宅では、いろいろなイベントが開かれていますが、それでも未だまだお互いに知らない人同士がいるという現実に、コミュニティーになっていくには容易じゃない、という実感を受けました。
 

 カフェの参加者は、13名。初めに、再度カフェの意味を説明し、カフェでのルールの確認(互いに話をしっかりと聴く・守秘義務を守る・いない人の噂話をしない)を行い始めました。ある女性は、「このような、自分の思いを話せる場所が必要だと思う。最近はイライラるするし疲れてもいる、そんな自分の思いを聴いてもらえるなんて、嬉しい。そうやって聴いてもらえると、自分で自分の気持ちを変えられるし。・・・自分の気持ちを変えたいとい思っていたから・・」と感想を述べてくださいました。この感想が、今日のカフェの必要性と意義を表しています。

 震災から今日に至るまで、本当に一生懸命、気持ちを張り詰めたように生きている中でも、疲れた・・・、嫌になってしまう・・・、死にたいと思うくらい疲れた・・・、そんな思いのたけを吐き出した後に、変わらない現実・生活に戻っていける力を見つけていけると良いなと思います。(記:宇根)


2013年1月24日木曜日

幸せに生きる地を求めて

 仮設住宅での生活には様々な課題があり、生きづらさを訴える方々は多いものです。そのような中、今日は「今の仮設住宅が第二の故郷になった」と言える方との出会いがありました。

 訪れたのは、志津川地区の高台に位置する仮設住宅(左)。仮設の裏側の山沿いに、地主さんが提供してくださった畑があります。元々は、藪の繁る荒地でした。そこを、仮設の方々で畑仕事を希望される方に提供して、見事な畑になっていました。その畑の一角には、あるNPOから寄付でビニールハウスが2棟(写真下左)建てられ、野菜のハウス栽培が行われていますが、住人さんたちの憩いの場にもなり、一日お茶飲んだり楽しく話をしたり、中には新聞を広げては寝てしまう人も居るとか・・・。

 その仮設に住まわれているAさん夫婦が、仮設住宅を「第二の故郷」に思えるほどの思いを持っておられました。夫は山が大好きで蔦を探しては山深く入っていかれます。撮れた蔦を畑のそばに立てた小屋で編んでは好きな方に提供されています。籠(写真右)は立派な商品になるほど。一方の妻は、野菜を栽培するのが「楽しくて楽しくて・・・」とは葉っぱが広がってきている姿を見せてくださいました。「この野菜をじっと見ていると嬉しくてね、心を癒しているの」とも話していました。お二人共、本当に嬉しそうに畑仕事が出来る今の仮設住宅での暮らしを紹介するので、こちらまでホットする感じでした。
 「あと、4、5年したら、ここから出て行かないとけない・・・そう思うと涙が出てきてしまう・・・こんな日々を過ごしている今が無くなってしまい、どこか集合住宅に移るとなると涙が出てくる・・・」と涙をこぼしながら話される夫のAさんの思いを聴いていると、幸せに暮らせる地になるには何が必要なのかを教えられるようです。そして、この先何年か後に必ず来るでしょう「移転」「引越し」という状況が、本当に復興になっていけるのだろうかと、考えさせられます。「仮設を出たら、ここで同窓会をしたいね」と話すAさんの妻の願いが叶うような日が来ると信じたいです。

 今日の活動は、一日個別訪問の日でした。午後には、入院された方の面会にも行ってきました。Aさんとは対照的でした・・・。「早く帰りたい、早くここから出たいと願っているのに・・・、この先の見通しが立たないし、自分で考えることさえ出来ない・・・それが辛いの」とこぼされたYさんの、心の叫びは、深く響いてきました。

 今を生きる喜び、今を生きる苦しみ・・・、この被災地で生きる方々に、自分らしく生きる事が、ちゃんと保証されますようにと切に願います。(記:宇根)

 




2013年1月23日水曜日

「心香サポーター」(仮称)を募る

 今日は、スタッフは2つに別れ、歌津地区の伊里前仮設住宅への訪問と戸倉地区の波伝谷仮設住宅でのカフェ開催を行いました。

 伊里前仮設住宅を訪れた、すみちゃんとけいちゃんは、集会室でお茶会(写真左)を開いていた住人の方々に喜んで迎え入れて頂きました。何時もは、HUGハウスが開くケアカフェに皆さんが参加する形ですが、今日は反対にもてなしてもらいました。集会室に来られている方々との出会い以外にも、個別での訪問も行いました。仮設暮らし1年半経つ今だからこそ悩める思いを分かち合ってもらえました。コミュニティーを生きる事の難しさは本当に大変なようです。

 一方、他のスタッフで訪れた波伝谷仮設住宅の近くの港で、牡蠣むきの仕事が始まっており、住人の多くの方々が仕事に出かけて留守でした。この時期は、しばらく牡蠣むきの仕事が続くらしく、自室に残っておられる方は少ないようです。カフェ(写真左) には7人の方が集ってくださいました。 小さい机を出して分かれて座り、できる限り一人一人の話を聴ける空間を作りたいのですが、こうも寒いとひとつの炬燵に皆が寄って来てしまします・・今日は、皆で思いを語る時間になりました。


 今日は、カフェの開催時に手助けをしてくださる方をお願いしたところ、ひとりの方が快諾してくださいました。これまで、スタッフが準備をしてきましたが、仮設内で地元住人が協働してくださるようになっていけるのは、今後に向けて大事な方向だと考えます。しかも、カフェの準備をするだけでなく、心のケアへの関心をもって一緒に関わりを繋いでくださるのも期待したいと思います。HUGハウスの「心香サポーター」とでも言いましょうか・・・、今後、カフェを実施している他の仮説住宅でも呼びかけて行きたいと考えています。


 午後は、地元スタッフで2月のカフェ調整を行いました。来月も、約12箇所近くの仮設住宅でのカフェを予定に入れる事が出来ました。今日のカフェでも初めての方との出会いがありましたが、まだまだ出会いを待っている方々、思いを受け止めてもらいたいと願っている方々が多くおられる事を思いつつ2月に向けて進んでいきたいと思いました。

 また午後に別の地元スタッフは、あるみなし仮設住宅を訪問しました。スタッフが、正月以来初めての訪問者だったそうです・・・、自分は一人ではないんだ、自分は大事にされているんだ、という体験を町の住人同士が伝えあえたら良いだろうと思いました。

 また、昨年come&see研修に参加した高野山大学の先生が、HUGハウスでの研修内容を学報に載せてくださいました。その学報を送ってくださり、今日はスタッフ皆で懐かしく思い出を語りながら読ませていただきました(写真上左)。ふじちゃん(筆者の先生の通称)、素敵な記事を有難うございました。また、出会えるのを楽しみにしています。(記:宇根)

2013年1月22日火曜日

人の心の不思議さ

 今日の活動は、終日個別訪問の日でした。


 地元スタッフのゆうちゃんとすみちゃんは(左)、午前と午後を合わせて4件の仮設住宅を訪問しました。出会いは、大切な宝物。出会いの中に、多くを学べる要素が詰まっています。出会いながら相手もそうですが、自分たちも育つ事は言うまでもありません。でも、、そのためにも苦労ですが、気がついた思いをしっかりと記録する事が何より肝心になってきます。二人とも記録を書き留めつつ、出会いを通して気がついた「自分」を大事に味わったようです。



 左のお菓子は、今日ある仮設住宅を訪問した際に、頂いたお菓子です。くださった方は、津波の犠牲になった家族を思い、別れの辛さの深い中に居られた時がありました。その方が、今日は「温泉に行ってきたの」と嬉しそうに話して下さり、土産としてこのお菓子をくださいました。
 前回のカフェで出会った時に、その方の話してくださった事が思い出されます・・「いつも手のひら地蔵をその子だと思って持ち歩いているの、朝も昼も話しかけているのよ、だから身近に感じられるようになって・・少しづつ元気になってきました」と。大切な方を失うの悲しみはとても心痛いことですが、その同じ心は大事な人の命を身近に感じれる不思議な力も持っているのでしょう、だから人は人と繋がって生きたいのかも。




 写真右のTさんを訪問すると、喜んで部屋にあげて下さいました。自分で編んだセーターを嬉しそうに見せてくださいました。編んだものを喜んで待ってくださる方がいるのが、こんな素敵な笑顔を作り出していると教えてもらえました。人とつながるだけでなく、必要とされる互いの関係は、人を活かす尊いものなんだと実感します。

 人の心の不思議な力、人の心の尊い力・・・、この被災地に生きる方々の一人ひとりが、どのような力に生かされて明日を目指すのでしょうか
(記:宇根)





2013年1月21日月曜日

グリーフの歩みをともに happy day

自分の住所を書くHさん

 今日は個別訪問の日でした。ケアカフェのない日は、時間にゆとりがあるため、南三陸町内ではなく、足をのばして、お隣の町登米市内にあるみなし仮設や南方仮設や施設で生活しておられる方を訪問することが多いです。

地元スタッフのようちゃん・ルミちゃん、えみちゃんは、午前中老人施設におられるHさんを訪問しました。今年はじめての訪問ということもあり、今日もうれしいと泣かれたようです。前の訪問のことも名前も覚えておられ、南三陸のことも関心をもってよく話されていたようです。

Hさん自身から「今度手紙書きますね。」と話し、ご自身の住所と名前と生年月日も書いて下さいました。Hさんが書いたのは今は流されてなくなってしまった南三陸の家の元の住所でした。ふるさとを思う心と人恋しさをいっぱいのHさんの心から「さみしくて心が折れそう」という叫びをしっかり受け取って帰ってきました。孤独とさみしさで張り裂けそうなこころが、今日の訪問と彼女たちの深い愛情で、あったかく包まれたhappy dayであったなら幸いです。

仮設の部屋に飾られて

 午後からは仮設訪問。

素敵な飾りや作品を見せていただきながら、前向きに生きておられる姿や人と人との交流の中で希望のあゆみやグリーフケアが少しずつ行われている様子を垣間見ることが出来ました。


嫁入り前のお人形さんたち
おひな様
「これはね。嫁入り前の記念だから写して」と・・・作った作品は、どなかかの手に渡るもの、差し上げるのだそうです。

また、ある方のところの訪問すると以前お届けした「手のひら地蔵」が仏壇の中央に置かれていました。
ただのモノではなく、いやしと慰め、グリーフケアの助けになっていることを確認できた訪問でした。
大切な家族と共に
手のひら地蔵
愛情でHUG、やさしさでHUG、手のひら地蔵でHUG、訪問でHUG、今日も地元スタッフの貴重な働きに感謝します。ブログを読んでくださる方、関心をもってくださる方、これからも応援そして支援をよろしくお願いいたします。

今日宇根は、東京で開かれた全国社会福祉協議会の集いに招かれ出席しました。 (記:堤)

2013年1月18日金曜日

一歩一歩・・・小さな歩みを見守り応援する

 今日のHUGハウスの活動は、1日フリーで、個別訪問の日でした。それぞれスタッフは戸倉地区と、登米市の南方(みなみかた)方面に出かけ、仮設住宅やみなし仮設に住む方々と出会いました。

スタッフは、出会った方々を通して、それぞれが新しい人間関係や新しい環境の中で、精いっぱい生きておられる姿や自分の居場所や生きがいを見つけながら、一歩一歩、歩まれている様子に触れることができました。
また、中には大切な子どもと夫を亡くされひとり暮らしの方・・・「自分が供養する、それが自分の役割、自分の使命」というところに生きる意味を見出しておられる方にも出会いました。どうされているか心配で訪問したスタッフの思いとは少し違っていた体験もできたようです。


震災の体験やそこまでの過程を聴かせていただきながら、刺激をいただいたり、人間の可能性や内なる力にも気づかされた一日でした。
時間はかかっても一歩一歩の小さな歩みを見守りながらこれからも応援していきたいと思います。

宇根は今日は大切な出会いのために釜石へ出張です。(記:堤)


2013年1月17日木曜日

心のケアの役割を生きる

 今日 は、山の神平仮設住宅の、一般住宅と福祉仮設住宅で同時にカフェを開きました。この仮設住宅では、スタッフは2グループに分かれて、それぞれにカフェを行います。

今日の一般住宅(写真上左右)で、カフェに入った地元スタッフによると、世話人から「心のケアの役割の人が来たから、ちゃんと話をきいてもらったらいいよ」と、隣の方を促したようです。その後、カフェはある方の悩みを皆で聴き、それぞれに思い思いを分かち合う時間となりました。ここのカフェでも、何度か「ワンポイント学習」の機会を作ってきましたが、少しづつでも「心を意識し、互いに相手の想いを大事にする」事が増えていけると嬉しいですね。


  一方の福祉仮設住宅(写真下左右)では、職員に今後のカフェのあり方を相談しました。楽しみになっているので、是非カフェで訪問を続けて欲しいという願いを確認できました。この評価は、一番現地スタッフには嬉しいものでしょう。何度も続けてきたことで、認めてもらえたという この評価を力に、更に自分たちが出来る訪問の活動と出会いを充実させていけるように研鑽していけると良いなと思います。カフェでは、参加者はそれぞれにスタッフや利用者同士で楽しい時間・有意義な時間・津波で流されてしまった家族を思い出す時間・・・を過ごせたようです。「あんたらのような、こころに触れる人が、来てくれるのは嬉しい」という感想もありがたいもでした。

 今日は、昨年秋にカフェで出会った方が、病が重くなりカフェ以来まったく外にも出られなくなり入院をしたと聞きました。カフェが最後の外出となったようでした。病の重さから、旅立ちが近いのを感じます・・・。
 スタッフ皆で、その方の方を思い出しています。どうか、苦しい状況の中でも、最後まで自分らしくを生きられますようにと、心を併せて願いたいと思います(記:宇根)

2013年1月16日水曜日

ワンポイント学習の感想in小森

 今日の活動は、志津川地区の小森仮設住宅でのカフェ開催でした。足元の雪が未だ残り、凍結しているために参加が出来なかった方もおられましたが、初めての方を含み8人の方々が集まってくださいました。「この集まり、ずっと楽しみに待っていたのよ」と嬉しそうに話してくださる姿は、ほんとうに力になります。


 今日は、初めての方の参加もあったので、再度「心のケアのワンポイント学習」を行いました(写真左) 学習の終了後に、参加者Tさんからは、「わたしは、この『沈黙』と『傾聴』っていうものが出来ないんだよ・・・人の話を聴けないの」という感想が一つありました。互いに互いの思いを丁寧に聴き合える関係は難しいものです。ですが、自分は出来ない事を自覚すれば出来ない自分とは違ってくるかもしれません。
また、Sさんは、「このように噂話をしない、人の悪口は言わない、なんて言う事は家族でも大事だと想う、家族でしっかりと 出来ないといけないよ」という感想もありました。頭で分かるということだけではなく、実際に生きることをして行くことで身につくのでしょう。感想を分かち当てくださったTさん、Sさんありがとうございました。こういう小さな学びを地道に続けていくことで、皆さん地域同士の支え合いを考える機会になっていくことを期待したいものです。
 終了前のHUGには、「私たち地元住民同士もやりましょう・・・」と参加者より声があがり、参加した皆さんどうしが互いにHUGしあいました(写真右) 


午後には、近くの仮設住宅を個別に訪問しました。一人暮らしのHさんは、「自分が死んでしまって見つかりは玄関を開けてて誰かが入れるようにしているほうがいい」と話しながら、訪ねてきたスタッフが心のケアでと 紹介すると「わたし、そういうのを待っていた」と喜んで迎ええ入れ沢山を思いを分かち合って下さり、「喉までたまっていた思い、吐き出せてこんだけスペースが出来て(胸まで)、すっきりした」と話していました。訪問したスタッフには、良き学びにもなったようです。
 そのHさんが、もうひとりの一人暮らしの方を紹介して下さり訪ねると、津波のショックで両足が曲がってしまい歩けなくなったといことです。「私みたいな人は多いから、是非多くの人に知ってもらって・・」と写真に載せる事を希望されました・・・、Hさんの苦悩が伝わるようです。Hさん、ありがとうございます。心の痛みだけでなく、体の苦悩からも解放されますようにと願います。(記;宇根)