2012年8月31日金曜日

沈黙を大事にしつつ聴く事を生きる

 

届いた「手のひら地蔵」と
スタッフすみちゃん、けいちゃん
今日、 「石上彫刻工房」の平泉さんより、手のひら地蔵が届きました。
  送ってくださった平泉さんとは、たまたま偶然にお訪れた工房で会ったのがご縁でした。平泉さんが自分たちができる震災支援として、「手のひら地蔵」を作成している事また、被災地に届けて下さるという事を聞き、是非南三陸町でも必要な人に届けたいという願いを伝えると、喜んで協力したいと申し出てくださったのです。その後、1度送っていただいた「手のひら地蔵」を、何人のかの方々に手渡しましたところ、とても喜ばれましたので再度お願いしていたのが届いたのでした。

カフェの様子

 前回、「手のひら地蔵」が旅立った母親によく似ていると両手でさすりながら泣きながら話してくださる方がいました・・・。大切な方との別れを受け止めていくためには、時間も想い出も、更には大切な人とのつながりを感じさせるような何かが必要だと感じます。この地蔵さんも、別れを超える繋がりを感じさせるものになっているのだと思います。平泉さん、ありがとうございます。是非、必要と思われる方々に届けたいと思います。

 今日の活動は、午前中は伊里前小学校仮設でのカフェ。午後からは、歌津中学校仮設・横山仮設への個別訪問を行いました。
 
カフェの利用者は少なかったですが、ゆったりとした時間の中で、亡くなったご主人への思いや先祖への供養の話などを分かち合えたと感じます。集まった中で正直にご自分の内面を語るのには、回りへの信頼が必要だと思います。その正直さを生きて下さる方の力によって、回りも正直になっていける・・・そう感じたカフェでした。

今日はテーブル一つで

カフェ終了後に参加者と
 午後の個別訪問では、地元スタッフのすみちゃん・けいちゃんは、以前出会ったある女性を訪ねました。母親に最近旅立たれた、その方は体調も崩していたようです。一人で何もかもしないといけない不安も大きく、そのような時の訪問だっただけに、本当に安心を受けたようです。
 両スタッフから、「ちゃんと話をさえぎらずに沈黙をまもり、じっくり考える時間を提供できました」と報告がありました。なかなか沈黙に耐えられなかった以前の自分から成長してきている実感を味わえたようです。日々のスタッフの意識の高さと着実な成長への歩みに敬意を感じました。

 痛む命に寄り添う・・その意識を絶えず持ちつつ、そのための学びの歩みを共に進めていきたいと願った一日でした。
(記:宇根)
  

              


2012年8月30日木曜日

ケアカフェ心香の事前の準備とお知らせ


カフェの案内のために
ポスターを張る地元スタッフ

カフェの案内を自治会長
に手渡しにいく
現在、「ケアカフェ心香」は南三陸町内の仮設住宅やみなし仮設住宅、また自宅が残りはしたものの種々の被害も受けている地域の集会所でカフェを行っています。
  おおよそ40か所余りを約1か月から1か月半のサイクルで回ることになりますが、そのカフェの開催を決めるために、前月から予定を立てたり各仮設の自治会と相談しながら決めています。開催が決まった場所では周知の案内・ポスターを配布や談話室内に張り出す作業もしています。
家が残った地域の
集会所に案内

集会所に案内の
ポスター張る
 今日は、9月前半のカフェ案内に地元スタッフのすみちゃん・けいちゃんとおしょうさんが行きました。旭ヶ丘住宅の集会所、童子下仮設住宅、小森仮設住宅、そして米谷住宅です。会長さんが留守の際には、地域の方へのお知らせをしたり、地元スタッフの知人に声かけも行うなどしてカフェの周知を行ってきました。

 カフェを行い楽しみにしている方々のためにも、事前のこの作業はとても大切なものです。地元の方がスタッフとして働いているからこそ繋がれる関係を生かしつつ、必要な方々との出会いが生まれていきますように願います。

南国の花ハイビスカス
が見事に・・・
 8月27日に「聖心の聖母会」で行った、『痛む命に寄り添う傾聴研修会』の報告があります。




2012年8月29日水曜日

めぐみさんの大きな働きに心から感謝


談話室外で
歓談する男性陣とスタッフ

住人の皆さんの持ち寄りで
賑わうカフェ
 今日は、名足仮設住宅でのカフェ。カフェを開くたびに、集まってくる住人の方々が、毎回私たちをもてなしてくださいます。今日も、テーブルはとても賑やかでした。何人もの「漬物先生」と、「漬物博士」と呼ばれる程のお母さんたちが作った漬物の味は、なんともいえないほど美味しかったです。

話しを聴きやすいように間に
入って話を聴く地元スタッフ
 津波の被害を受け、大切な人・大切な財産・大切な時間や歴史を「流してしまった」と言いつつ、その状況の中でも訪ねてくる人をもてなそうとする思いに触れ本当に感謝の思いです。それぞれが、その苦悩を言葉で表現する事で助けになるのでしたら、そのために必要な時間や信頼関係作りを大切に育んで行きたいです。


懐かしく話が
出来たAさん
午後には、個別訪問とスタッフのケアのための時間をもちました。

涼しく工夫を
  個別訪問では、ある仮設住宅から施設に移られた方の事が気になり、行き先の施設を探しに出かけていきました。「きっと、一人でさびしい思いをしているだろうから、訪ねていきたい」と・・・。本人と会うまでにはいきませんでしたが、今後施設訪問も考えていきたいと思います。
 また、登米市内にある仮設住宅にお住まいのAさんを訪問しました。お客様がいらっしゃるにもかかわらず、少しのあいだ、懐かしくお話してくださいました。Aさん、ありがとうございました。

また、HUGハウスの神戸の仲間(三木さん)から、「27日カウンセリング自主勉強会をしました。出席は5人、リラックスして本日の感想を語り合いました。大盛況で来月も楽しみにしています」という感想が送られてきましたので報告いたします。

昨年8月から長期滞在で南三陸の方々とともに歩んできためぐみさんが今日神戸に戻りました。めぐみさんの大きな働きに心から感謝いたします。そして彼女とともに歩んでくださった現地スタッフ、南三陸町の皆様、ボランティアの皆様にも感謝いたします。スタッフからは、「出会いに感謝」「ともに学べて感謝」「話をたくさん聴いてくださりありがとう、とてもいやされました」「次に会うまでもっと成長していられるようにがんばります」。などあたたかい言葉を頂きました。これからもともに「忘れない心」でつながっていけたらうれしいです。
(記:堤)

2012年8月28日火曜日

生き続けるお母さんとの繋がり

仙台から来てくださった
Sさん
 今日は、仙台からスタッフのケアのためにSさんがいらしてくださいました。今日から、3日間スタッフ(地元被災された方も数人)がお世話になります。膝を怪我してリハビリ療養中の「ようちゃん」も参加。   
 『自分のメンテナンスをしっかりとする』、この事を日々大切にしています。そのメンテナンスも他者に支えれて出来るという事に気づきながら、支えてくださる方々に心より感謝したいと思います。

色々工夫のこもった
洗面台

 活動はカフェがなく、午前、午後とも各自別れて個別訪問を行いました。廻舘仮設、山の神平仮設に地元スタッフのえみちゃん、るみちゃんが行ってきました。ご自分の子供同士が同級生の知人に会えたそうです。狭い仮設内をいろいろと飾る工夫に、生活を作りあげる知恵が溢れているようです。

大事なお母さんを祀った
仏壇

また、若い頃に旅立ったお母さんを祀った仏壇がとても綺麗に飾られていたことに、今でも大事なお母さんと繋がっていることを感じてきたようです。何十年たってもなお、子供の心に刻まれ続けるお母さん、とても素敵なお母さんだったのでしょうね。今も天国できっと微笑んでいるにちがいないですね。
 もうひとつの出会いは、いつも笑顔のSさん、「ありがたい・・・ここにおられるのも感謝」と話してくれていました。80年を超える人生を生きてこられた、その一つ一つの経験は私たちには想像もできない程のものでしょう、長い人生を生き関係を感謝という言葉に表し続ける力を、私たちも頂きたいものです。
子羊たちの飾り

いつも迎えてくれるSさん

 恵さんは、これまでの出会いで関わりを頂いた方々への、感謝の訪問を行いました。

 (記:宇根)

                                  



 

2012年8月27日月曜日

痛む命に寄り添う傾聴 in 聖心の聖母会



聖心の聖母会 名古屋修道院で「傾聴の研修会」をしました。
  昨日名古屋での「カトリック医療学生関連セミナー」終了後、修道院に移動し休暇も兼ねてお世話になりました。私たちをもてなしてくださり、心地よい休みの空間と時間を与えてくださり院長のSR高良、修道院の姉妹の皆さん、ありがとうございました。
 

研修風景
「アイコンタクト」

 今回の研修会の企画は、「come&see研修in南三陸」で2回南三陸に来ていた SRあきえとの出会いによるものでした。修道会や教会では日常的に病床訪問などを行っています。信徒の方にも、ぜひ傾聴の基本的を活動報告を交えながら伝えて欲しいとの願いが実現したものです。
修道院の応接間を
使って研修
 研修会は、修道院を使って行われました。参加者は、北城教会の信徒の方が5人とシスター2人の計7人でした。研修内容は、日頃から南三陸でも大切にしている、「沈黙」「アイコンタクト」のワークも行い、傾聴のために必要な学びを確認しました。また、傾聴の学びには、そのノウハウを学ぶ事と同時に、実際に聴いてもらう体験が大切でもあるため、互いに分かち合える時間も考慮しました。

研修に参加した皆さんと

研修終了後、テーブルを
囲んでの分かち合い
 参加者の中には「戦後の思いを分かち合いながら、なかなか話せなかった思いを語れたこと、それを受け止めてもらえた事に(まさに傾聴の体験)歓びを感じた」と感想を分かち合ってくださいました。企画したSRあきえも、実際に日頃聴いているつもりでも、ついつい自分が話してしまうことが多いことやそのようなことに気が付けるようになりたい。と話していました。

 企画してくださった、SRあきえ、ありがとうございました。
そして、参加された皆さんが、日々出会う方々の心に寄り添える自分を育てていくことが出来ますように心より応援しています。(記:宇根)




「生きる」こと自体が人生の価値

『被災地障害者支援宮城』の連携スタッフ3名とともに今日の活動を行いました。

午前中は、『志津川高校仮設』でのカフェOpen.
心待ちにしてくださり、すでにテーブルが準備されていました。

津波から逃れ、命をつないだことを喜んでいたのもつかの間、仮設に移り住みホッとして間もなくご主人を亡くされた方の心の叫びは「あの時(津波)、逃げなければよかった・・」と、安堵のあとに突然訪れたお別れ。人生の残酷さに涙を流されていました。

90歳と6ヶ月と仰るある女性は、戦争時を回想し、これまで乗り越えて来られた数々の極限状態の歴史を伝えて下さいました。そして、この大震災を体験しながらも、食べ物があること、家屋が与えられたこと、全国から支援者が次々に訪れたことを「恵まれている」と仰られました。幾人もの方が大きく頷かれ、健康に配慮しながら「与えられた試練をまた乗り越えるだけ」であると、淡々と『生きる』こと自体が人生の価値であると教えて下さいました。

癒えない傷を抱えたままであっても、人と交わり、互いに語る言葉に耳を傾け合うことで、思いがけない発見に心が救われるようです。

午後からは、地元スタッフによる町ナビと個別訪問。
後列 和歌山・大阪・広島から来られた3名
被災された方による町の案内では、それまでの日常がどのように破壊されていったのかが、同行者にとって、とてもリアルに響いてきます。
また、車中では「今、ここ」で起こっている現実を聴かせていただける時間でもあります。

遠くに暮らし、被災地に思いを寄せながら見つめることと、現実のただ中で聴かせていただくことには大きなギャップがあることを、感想として伝えて下さいました。


個別訪問では、これまで出会った方々へのご挨拶。
私、マドフォは昨年夏より、HUGハウスで心のケアを中心とした活動を共に担わせていただいて参りましたが、今日のブログをもって、南三陸町における活動が最後となります。地元の神戸に戻ることになりました。
志津川高校でのカフェで思いがけず得意のハーモニカを伴奏に「ふるさと」を皆様で歌ってくださり、お一人お一人が思いを伝えて下さいました。有難かったです。

甚大な被害を受け、多くのものを失いつつも、人を思いやり、その人がもっている力を活かして下さる力をお持ちである、南三陸の人々の歩みを、これからも見つめ続けていただきたいと思います。

震災がなければなかった出会いは、素直に出会いを喜ぶことができない複雑な思いを持ちますが、この一年間を通して出会わせていただいた皆様に心より感謝申し上げます!
いつか、どこかで「また、お会いしましょう」 I love you!

(記:マドフォ)

2012年8月26日日曜日

思いがけないプレゼント

今日の午前は『志津川中学校』でのケアカフェOpen.
福興市や24時間TVと重なったこともあってか、日曜日のわりに仮設内は静かでした。

ケアカフェには、数日前に仮設に引っ越してこられた方が、手伝いにこられているお嬢様に連れられてカフェに参加されました。一人暮らしとなる、年老いたお母様への配慮です。

仮設での生活も一年以上が過ぎましたが、家族間に課題を抱えていたある方にとっては、ストレスを増大させる時間だったようです。
「いっそあの人が津波で流されてしまえばよかったのに・・」と、苦しい胸の内を涙ながらに話しておられました。そう云わざる負えないほどの苦難の道のりを、歩んでこられたこの方の心を思うと胸が痛みます。話したいことを、真剣に聴いてもらえた。受け止めてもらえた。この体験の繰り返しのなかで少しずつ心が解放されていきます。
地元スタッフの真剣な眼差しに感謝!

昼食時間には、港仮設へ、今月末にOpeを控えておられる方への個別訪問も行いました。

午後には、入院されたまゆみさんへの訪問と、南方仮設への訪問にわかれての活動でした。

病室を訪ねると、声を聞くなり泣き出してしまったまゆみさん。「お待たせしましたね・・」と、止めどなく流れる涙を拭いているまゆみさんの傍に座り、しばらくの間、互いに沈黙を共有しました。「なんだか安心していく・・」と、沈黙の不思議さを味わったまゆみさんにとって、退屈な入院生活を過す力の発見となって下さることを期待します。
今日の別れの際にも、手を振りながらやっぱり泣いていました。


定期的に訪問させていただいている、みなし仮設に住んでおられるわたなべさん

みなし仮設では南三陸町の情報も限られており、ボランティアからの支援は一切なく、孤独感を募らせやすい環境でありながらも、楽しみを発見しながら、充実した日々となられるよう努力していらっしゃいます。

それでも、こうしてスタッフが訪ねてくることは、ことのほか嬉しいようで、つかの間のひと時をともに過ごさせていただきました。
配慮ある訪問を続ける地元スタッフの存在に、頭がさがります。ありがとうございます。

夕方、童話作家のむんさんが田尻畑拠点を訪ねて来てくださいました。
童話『ガレキの中にできたカフェ』は、さんさカフェを題材に描かれています。童話の中で話されている『三陸弁』を監修したのは、地元スタッフのみよちゃん、はるちゃん、すみちゃんです。「そのまま書かせていただきました」と、童話数冊をプレゼントして下さいました。

寒さが厳しい今年初めに、フラッと田尻畑拠点に来てくださったむんさんに「暖かいコーヒーでもどうぞ」と、室内に上がっていただいた始めの出会いも、思いがけないプレゼントでした。

一番背が高い人が西山むんさん
(記:マドフォ)

2012年8月25日土曜日

共有した大切な『ひと時』

今日の午前中は、田尻畑拠点にゆうごさんが訪ねて来てくださいました。

拠点のすぐ目の前に住んでおられたゆうごさんは、震災時、まっすぐにここの裏山に駆け上り避難したそうです。「振り返った時には、もう自分の家は無くなっていた・・」とあの日を振り返られました。

出稼ぎで長年、故郷を離れていた生活。
故郷に戻り半年でこの震災に遭いました。
現在はここから車で20分ほど離れている『山の神平』に住まいし、たびたび家があった場所までバイクを走らせ通ってこられています。「・・・何にも無くなったのに、何でこうして来るんだろうな・・」と、生まれ育ったなき家の跡地を訪れることの意味をご自身の中に探しておられます。小道を挟んだ向かい側に住んでいた、お兄様ご夫妻はゆうごさんの避難の呼びかけも虚しく、家ごと津波で流されています。

「生きているからこそ、ここであんたとこうして話せる。嬉しい。生きていれば辛いこともあるけど、生きてるからそう思う・・死んでしまったら嬉しいとか、辛いとかも関係ないもんな・・知らなかったのに、こうして話せることが嬉しい・・」と、
暑い日だから「冷たくあしらって!こう暑い日には、厚くもてなされてもこまるから」と云って、注文下さったアイスコーヒーを飲みながらともに過ごしたひと時でした。

午後は毎月最終土曜日に行っている『おもちゃ図書館』でのケアカフェOpen!
今日のスタッフは一人だけ。「スタッフ一人と聞いたので今回は来なくてもいいですよと断ったのに」と、開口一番に云われましたが、サプライズとなった訪問をとても喜んでくださいました。障がいをもつ子どもと親が、月に一度集うこの日は、そこにおられる皆さんにとって特別な日です。

「こうしてホッとできる時間を過せるから、普段も賑やかな場所であっても平気になってきているの」と辛い出来事や日常の事柄について胸の内を語られました。話し終わった後には、美しい笑顔をたたえていました。大切なひと時を共有させてくださり有難うございます!


堤と宇根は、名古屋で行われた『カトリック医療関連学生セミナ―』で講師を務めてきました。「被災地でホスピスを生きる、愛を生きる」と言うテ―マで講義を行いました。

被災地において、地元の人をスタッフとして養成し、ともに協力しながら心のケアを行うことの大切さを理解してくださり、セミナーに参加された方々にとって、とても意義深いものだったようです。

福岡の聖マリア大学の看護学部の先生と生徒達との出会いもあり、大学でもスピリチュアルケアについて、学びを深める機会が大切であると認識頂いたようです。今後、講師依頼の検討も視野に入れたいとの話しもありました。


先日Come&Seeで南三陸を訪れて下さったあきえさんとの出会いもありました。
(記:マドフォ)



2012年8月24日金曜日

神戸からの来訪者

ようこそ!南三陸へ
神戸から、中村さんが親子でHUGハウス田尻畑を訪ねて来てくださいました。

以前、堤(HUGハウス代表)が聖公教会で被災地での活動を紹介したことがあり、そこでHUGハウスの活動を知られたそうです。

被災地を訪れるのは今回が初めて、お父様は「この時期に初めて被災地に来るなんて・・申し訳ない気がします・・」と仰られました。
罹災した方々だけではなく、この未曽有の大災害の出来事は、被災地にいなくとも誰もが心を寄せ、また心を痛めているのではないでしょうか。

メディアを通してでは、現実の姿はなかなか見えてはこないし、小さなTV画面や新聞紙面を通して、あの日の出来事を共有するには限界があります。
この町に来て、町の有様をみて、ここに住んでおられる人からかせていただくお話は、決してメディアを通してでは知り得ない体験です。

この大惨事のただ中で不透明な未来に不安を抱えながらも、今日という、かけがえのない『一日一日を懸命に生きておられる人々の命を忘れない』を、生きてくださることも立派な継続した支援です。
神学生のお父様、教育者であるお嬢様が、「この町や町で生きる人々の姿」との出会を心に刻み、置かれている自分の場で、忘れないを生きて下さることをご信頼申し上げます。

今日の活動全般は、定期的にHUGハウスを訪れてくださるまゆみさんのお見舞いと、9月のケアカフェ開催案内に出かけて行きました。
また、夕方にはケガで静養中の地元スタッフの洋ちゃんが、久しぶりに拠点を訪れて下さいました!
(記:マドフォ)

*堤と宇根は講演のため今日から27日までお休みになります。

2012年8月23日木曜日

自分自身と向き合う


カフェの後に全員で
   
  今日の午前中は、歌津地区の港仮設住宅でカフェを行しました。


子供たちと

 今日も、うだるような暑さです。「昨日の夜も、11時ころまで暑くて眠れなかったよ」とカフェに来られた方々の話に、改めて仮設住宅での生活の厳しさを教えられたようでした。カフェには子供たちの留守の間に、お孫さんたちの世話をする方々が来てくださいました、もちろん可愛いお孫さんたちも。通常のケアカフェとは違って、自己表現の多彩な子供たちを中心にカフェが進む感じでした。それでも、炎天下の中での子守ではなく、ひと時暑さを感じずにゆっくりと過ごせたのではないかと思います。

 カフェ終了後に地元スタッフの一人は、互いに遊びながらも思いっきり泣いていた小さな女の子の姿に、自分と親の関係を感じ、「思いっきり表現できること・それをゆるせることの大事さを感じた」と分かち合ってくださいました。カフェや個別訪問で、他者の心に耳を傾ける中から、自分に向き合う事が起こります。そのたびに、気づいた自分に誠実に、正直に向き合い自分を受け入れていく作業が「傾聴」の大事な学びだと感じます。
懸命に耳を傾ける地元スタッフ

 午後からは、個別訪問をおこないました。
(記:宇根)




2012年8月22日水曜日

生きていてくれて、ありがとう


朝のミーティング
 今日から、休暇で帰っていた恵さんが帰ってこられ活動に合流しました。

ワンポイントレッスン風景

 今日は、自然の家仮設住宅でケアカフェを行いました。戸倉地区の高台にある仮設住宅で、今回で3回目のケアカフェ開催です。別のグループによって昨日もカフェが行われていたようですが、参加されていた高齢の女性は「田尻畑のカフェ(ケアカフェの事)は、ほかのものとは違うよ・・・」と言われていました、何が違うのか聴くと「噂話はしないからさ」だそうです。大切な話を大切に受け止めていくためにも、守秘義務が重要であることをカフェの前にワンポイントレッスンで伝え続けてきた事が、少しづつでも実ってきているのなら嬉しい限りです。今日は初めて参加された方々も居られましたので(「SKCのメンバーも」)再度、「心のケア」のためのワンポイントレッスンを行いました。また更に学びが深まり、それに応じて互いに癒しへと繋がる関係が育っていきますように願います。

冊子を使っての
ワンポイントレッスン

しっかりと向き合う
事を大事に、出会いを大事に

 カフェは夏休みの子供たちも含めて部屋いっぱいになる程の利用がありましたが、一人一人の話にしっかりと向き合えるようにスタッフも一生懸命でした。新しく出会う方々もあれば、何度目かの出会いを深める機会もありましたが、今日の出会いを今日大事にする・・・この一期一会の向き合い方が相手の存在を尊重することに繋がっていくのだろうと実感します。

カフェの最後に
記念撮影

 あるスタッフは以前からの知り合いに、震災後初めて出会いました。その方が、「〇〇ちゃん、生きていたの!・・生きていてくれてありがとう!!」と喜びながら手を握ってくる姿にとても感動を覚えたそうです。きっと自分の命を感じる出会い、互いの命の尊さを確認する出会いになったのでしょう。 出会いが互いの命をはぐくみ育ていける・・・そんな出会いの尊さを感じるカフェに感謝したいと感じました。


今日の出会いを書きとめ
振り返りと自己メンテナンスに。

スタッフ同士での自己開示

 また午後からは個別訪問(恵さん)とスタッフ研修を開きました。 
 日々、自分自身のメンテナンスが出来ているかどうかが、質の高い傾聴の大前提です。自分自身を振り返り、今の自分に正直に誠実に向き合う。一人で難しかったり、不安だったりする「自分と出会い」が、仲間と一緒に少しずつ少しずつ進んでいくように感じました。(記:宇根)