2013年11月30日土曜日

HUGハウス&ケアカフェ心香のブログの引越

今日は通常の活動はお休みですが、HUG三滝堂では、地元ボランティアのY夫妻さんが朝から川原沿いに面した窓の工事をしてくださいました。11月に入ってから寒さ対策で台所の窓にペアガラスを設置していましたが、一番寒い場所がまだだったため、同じくペアガラスを設置することにしました。昨年はあまりの寒さに震えあがる越冬越年でしたが、今年は少し安心して冬を過ごせそうです。



被災地で支援を続けるうえで、被災地の方々にも支援していただき今があります。それぞれが持っているタレントや能力を結集して支えあっていけたらいいと思います。妻のYさんは、何もすることがないと変になりそう。テレビばかり見てるとやる気がなくなる。だから家にいるときは折り紙で飾りを作ったりしてるの。と持ってきて見せてくださいました。今日はHUGハウスのためにクリスマスプレゼント用のろうそくのラッピングや庭の落ち葉の掃除をしてくださいました。感謝しています。
(記:堤)


◆ お知らせ   『HUGハウス&ケアカフェ心香』のブログは12月1日から引越です。
           新しいブログのアドレスはこちら  http://blog.goo.ne.jp/hughouse002

2013年11月29日金曜日

アリーナカフェ~part8積み重ねから生まれる連携

 今日は、アリーナカフェの日。

明日に行われるアリーナ体育館での「プロバスケット」の試合のための準備で、アリーナ体育館内の部屋の確保が出来ず、今日はどこか空いている場所でひっそりと開催する事になるだろうか・・・と思いつつ・・・。

お知らせに回る地元スタッフ
ところが、朝に会場であるアリーナに到着してみると、嬉しい知らせが地元スタッフに入っていました。それは、アリーナ内のラウンジを使用しても構わないというアリーナからの返事でした。

 これまでアリーナカフェの最大の課題は、雨天や寒い日の対策でした。そのような日には開催さえ難しい・・・。そこで、なんとか温かく雨天が気にならないスペースがないだろうかと願いつつも叶わない現実に頭をひねりながらの日々でした。そのような状況でもカフェの開催の必要性を強く感じていた地元スタッフは、役場に何度も足を運び担当部署との相談を重ねて来ていました。

ラウンジでのカフェ
幼稚園児の参加も
今日、アリーナでのラウンジの使用が可能になったのは、この担当役場からアリーナへの打診があったからだったのです。「何度も役場に足を運び、積み重ねてきた結果生まれた信用だし、連携だと思う。嬉しい・・・」と地元スタッフが喜ぶ姿が、また嬉しかったです。


 今日は、1Fのラウンジを使用してカフェを開きました。暖かい日差しがふりそそぐ心地よい環境で落ち着いた雰囲気のカフェになりました。

 近所の幼稚園児が体育館に運動しに来ていましたが、終了後にカフェに寄ってくれました。可愛い子供たちの参加にほのぼの。子供たちも運動後に美味しいジュースを飲めて嬉しそうでした。この幼稚園児たちは、秋のハローウインの時にも訪問してくれていました。先生が「こうのような場所があったら、子供たちが立ち寄れるし社会的な繋がりを実感できる場所にもなるのでありがたい・・・」と話してくれていたのを思い出します。アリーナカフェのひとつの役割かもしれません。
 今日の利用者は、幼稚園児や近所へのデリバリーの分も入れると、なんと延で99人にのぼりました。スタッフは忙しく、おもてなしをするのにも精一杯です。それでも、ケアカフェとしての性格を失わないためにも、それぞれが内面を落ち着かせ、来られる方がたの丁寧に接していけるようにしたいと皆で確認し合いました。

 また、カフェには毎回参加する方も出てきました。嬉しい限りです。そして、中にはHUGハウスの活動に触れた方が、自分もボランティアを一緒にしたいという希望を申し入れてきた男性がおられます。これも不思議な出会いであり生まれた連携かもしれません。(記:宇根)

 
 





2013年11月28日木曜日

子供孝行という「再建」

 今日は、ある再建住宅を訪問しました。今年の夏に、仮設住宅から引っ越したばかりの方です。再建された家は南向きで日あたりの良い素敵な作りになっていて、窓から差し込んでくる日差しがなにより嬉しいと話しておられた程。

 大きな窓から見晴らしの良い外を眺めながら、引越しをした女性は、「こうして新しい家に引越しが出来たの良かった・・・でも、もう後はないし、何時お迎えが来ても不思議じゃない。来年来るかもしれないし、いつ来ても良いくらいの年齢になったの。だから、後は何もする事も無いし、こうして日々暮らしていくだけですよ」と話していました。

確かに何時お迎えが来ても不思議じゃない年齢ではあるようですが、それでも今出来る事や役割はないのでしょうか?と質問してみると、「健康を維持する事が大事なこと・・・健康で子供や孫に面倒をかけさせないようにする事が大事なことなのですよ・・、こうして新築してまもない状況で私が体を壊してしまったら、家族が大変。そうしないように健康を維持する事・自分らしくある事が、何よりの子供孝行なの」と教えてくれました。
 
 何も出来る事はないと言いつつも、健康を維持するという、大きな役割・出来ることがある、と捉える思いはとても素敵だと思います。能力や力などとは違い、自分を自分らしく存在させるという事に価値を持てること、またそれを大事な役割だと同じように考える家族の存在がきっとあるのでしょう・・・。このような「再建」を果たすのも素敵・・・と実感した訪問でした。


 今日は、他にも仮設住宅の訪問をしました。

ある仮設住宅では、年々年を重ねていく中で「年追うごとに体が動かくなってくるし、やる気も起こらなくなってきた。年取るのは嫌だね・・・生きるのも飽きてきたって思えるほど・・・」とこぼされる方が・・。日々を生きるのにも飽きがくるような毎日。仮設住宅の暮らしの厳しさを教えてくれていました。

漬物石の調整をする夫婦
またある老夫婦は、漬物を付けるための石が軽すぎて重しにならない・・、樽の中に水も上がってこないと。震災以前なら、海に出かけて重しになるような石を見つけてきたのにと、ここ(仮設住宅)では石を購入しても高台に立つ仮設には年取った体では持ってこられないと話していました。東北では毎日食台にあがる漬物にさえ、仮設住宅での厳しい生活状況が現れているのを感じます。(記:宇根)


 

2013年11月27日水曜日

地元住民の活動になるためにも~経験と成長~


とめり場での風景
 今日は、午前中は12月のアリーナでのカフェの調整のために必要機関への訪問。また、同じく来月に関西で開かれる市民クリスマスで使用する母子の写真撮影のために仮設訪問などを行いました。
 また午後からは、登米市の「とめ市民活動プラザ」が開催した「NPO交流会・とめり場」へ参加をいたしました。

 関西での市民クリスマスでは、これまでHUGハウスも寄付を頂いてきていますので、今回の開催に向けての協力を皆で行いました。被災地の母子の写真を多くの方々に紹介しつつ、南三陸町への想いを新たに持つ・・という企画のようです。地元スタッフは、志津川地区内の仮設住宅や在宅を回りつつ協力を求めて回り何枚もの写真を撮らせてもらっていました。
 アリーナでのカフェ調整のために、地元スタッフは南三陸町の役場への連絡と体育館(アリーナ)への部屋の予約、そして近隣への周知などを行いました。役場を訪問して担当者に伝え体育館を抑えることは、地元スタッフにとっては大変な役割でした。
 関西での市民クリスマスへの協力・そして来月のカフェの調整。どちらをとっても地元のスタッフが自分たちで行う事に大きな意味があるのかもしれないと感じます。活動を自分たちのモノという意識を持つ事や活動を開催するための段取りを自分たちでこなすという事は、今後の組織の方向性のためにとても重要な『経験』だと思うからです。

名刺交換をするスタッフ(中央)
名刺交換後の話を聴くスタッフ(左)
午後からの「交流会」への参加は、地元スタッフの成長のためにもおきな役割をもつのではないかと期待しての参加でした。

交流会には、HUGハウスから地元スタッフが4人参加しました。他にも7団体の参加がありスタッフは名刺交換から活動の紹介を一人づつするのも貴重な経験でした。緊張しながも、活動を紹介したり心のケアの必要性などを懸命に伝えようとする姿に、地元スタッフの頑張りと成長が伺えたように感じました。

熱心に他団体の活動を聴く(左)
★スタッフは、全く違う団体の日頃の苦労話しを聴いたり。興味のある活動と新たなつながりを感じるような出会いを得られたりでとても新鮮な経験になったようです。
 ★また、日頃訪問を通して傾聴や寄り添いなどの活動をしていることを、大切な活動と評価されてくれる他団体もあり、活動を認めてもらえた嬉しさを感じた経験にもなったようです。
始めて出会う方への紹介(左)
★また出席していた方が、ゆっくり話を聴いてもらえる機会の大切さを話しておられ、今後アリーナカフェに来てみたいと希望を話して下ったり・・と。

 緊張や苦手意識も感じたりする中、今日の多くの出会いや経験は『成長』につながる経験になっていくのではないかと思いますし、そう願いたいものだと思いました。
最後に、場を設けてくださった「とめ市民活動」の皆さん、本当にありがとうございました。(記:宇根)



2013年11月26日火曜日

新しい出会いの中で生きる


「地元話はいいもんだぁ。」

「やっぱり同じ部落の人でないとねぁ。」

「昔っからの仲間だからぁ。」

個別訪問で出会う多くの方々から聴かせていただくことばです。

訪問する方々への
クリスマスプレゼント
「祈りのろうそく」
地震と津波によって、物理的に同じ空間・時間を昔からの人と共有できなくなって二年半。新しい場所で新しい人とのつながりの中で、居場所を見つけたり、戸惑ったりする人々がいます。今日は、そんな方々との出会いがいくつかありました。

クリスマス用ラッピングに
包まれた和ろうそく
入谷方面仮設在住のWさんは、ボランティアとの関わりの中での気持ちを分ち合って下さいました。いただいて嬉しい気持ちと残念な気持ち、もらいたい気持ちとお礼のプレッシャー、サービスを受けたい気持ちと受けられない物理的不自由さ。だから、ボランティアグループによる他県への旅行兼見学会企画で、旅行参加者の中に地元仲間との再会が果たせないかなと密かな望みを抱いて参加したりします。

カフェの案内をしながら訪問
Sさんにとっての自宅再建は、単なる喜びではありませんでした。一人暮らしを長く経験したSさんにとって、改めての四世代同居は、かつて志津川で当たり前だった生活形態にも関わらず、違和感を感じ、改めて共同生活の難しさを味わいます。

「人は一人で生まれ一人で死ぬ。でも一人で育たないし、死んだ後も人のお世話にならないといけない。」

世話にならなければ人は一人では生きていけないと分かっていても、世話になりたくない気持ちとぶつかり合います。


再建された真新しい自宅。
石だらけの土から石を除き、
畑を作って希望を膨らませます。
町外に自宅を再建されたKさんは、広々とした自宅の中で、ジャンパー一枚羽織り、一人の時間を耐え忍んでいます。「やめてもいんだでば。」かつて頻繁に交流のあった親戚がさっぱり訪問に来ません。

「来るのはあんたたち(HUGハウススタッフ)だけだ。」

訪問したスタッフを飛んで出迎えるKさん。Kさん自身の生きる力はどうしたら取り戻せるのでしょうか。

町外の見なし仮設に住む方。以下、地元スタッフの報告です。
新たな出会いの記念写真。
CoCoタイムにて

「やっと念願が叶って再開が出来たママさんとの出会いです。
震災後に南三陸町から車で約1時間位かかる地域に移ったのでなかなか簡単には会えなくなってしまいました。
会った瞬間に自然とお互いに手と手を取り合い笑顔が溢れたのはどんな言葉よりも嬉しさが伝わります。
知らない土地で一生懸命、子育てと主婦業と家族を守ってる姿は本当に偉いなぁ~と感心させられました。
話してても笑顔を絶やさずにずっとお話ししてくれたのが印象に残ってます。
震災前は近くに友達もたくさん居たのに離れてしまい心細さもあったと思いますが、そんな素振りもみせずに、その方の笑顔を見て逆に訪問しに行った私達がケアされた癒しの時間にも感じました。
知らない土地で生活して頑張ってる方もまだまだたくさんいる事を忘れては行けないなぁ~と改めて思いました。
町の復興が長引けば長引くほど人の心のケアは必要になると思います。
今日は『 あなたを忘れてないからね 』の意味を改めて伝えて行きたいなぁ~と思えた貴重な出会いでした。
寒くなって来ましたが、ハグハウスのスタッフはいつもあたたかい心を持って毎日皆さんを訪問したいと思います。今日の素敵な再開ありがとうございました。」(るみちゃん)

助かった命と共に、新しい場所で新しい出会いと共に生きることは簡単ではないという叫びをたくさんキャッチしました。一方で、新たな出会いで苦労して築きあげられる関係は、きっとそれぞれの方の力、こころの礎になっていくでしょう。

希望と共に、HUGハウススタッフの毎日の新たな出会いは続きます。(記:林)





2013年11月25日月曜日

その日、その日の出会いを新鮮に・・・

今日は、志津川地区にある老人施設への定期訪問の日でした。
また午後には、歌津地区と志津川地区のこ個別訪問を行いました。

施設内での訪問を前に
施設利用者の皆さんと出会って話を伺うと、「もう歳だしね、だんだん物覚えが悪くなって・・・」とか、「もう出来る事が減ってきてしまって」とか言う声をよく耳にします。また、認知の力が年齢と共に下がってきて、相手の顔をただしく理解したり、判別することも難しくなってきている状態の方も多いです。

今日、定期訪問する施設でも多くの方々が同じような状況です。

「あんたは誰だったかね?」
「(娘だと思って)・・・まったく、あの人はこうだから困る、わたしはあの人が嫌いなの」
「うーん、あなたとは何時あったけな?・・・」

訪問終了後に帰るスタッフ
こういう状況の中での出会いでは、前回お会いした時の事を持ち出し、出会いの関係を結ぼうとしてもかえって相手を苦しめることになりかねません。何故なら、こちらが数週間前の情報を元に話題を作る事が、相手に「知らない・覚えていない・分からない自分」を感じさせてしまいかねないからです。

職員との話も大事なひと時
そこで、施設訪問では、相手を活かす出会い・相手の尊さを互いに実感できる出会いを生み出す挨拶や工夫がどうしても必要になります。また、前回の話の話題がどんなに有意義に思えていたも、今日の出会いを大切にする心構えが大切になってきます。

 簡単ではありませんが、このセンスを磨き上げていく事が何より。また、その事を意識した訪問を習慣づけることが何よりだと思っています。定期的な施設訪問を重ねながらも、この大事なセンスを学んでいけたらと思います。(記:宇根)






2013年11月22日金曜日

スタッフ研修ー「家族療法とグリーフケア」の復習と確認

手作りの料理を囲み
食後は一人ひとりと丁寧に
 今日は、町外のみなし仮設住宅での「ケアカフェ心香」の開催と午後からは、定期のスタッフ研修を行いました。

 ケアカフェの時間は先ず住人の手料理から・・。今日も美味しい料理が並びました。皆に喜んでもらいたい思いが何時も伝わってきてお腹も満たされますが、この後に参加者がそれぞれに想いを語り合える時間が始まります。今日も地元スタッフが住人の間に入り、一人一人に丁寧に話を聴く時間を設けられたようです。目を見張ったのは、先日の研修に参加された住人のお一人が相手の話の聞き役に回っておられた姿でした。意識ある方が徐々に増えていけると本当に嬉しい事です。日頃のスタッフの姿勢や関わり方を誠実に示す事の大切さをしみじみ感じました。


講師より頂いた資料の読み返し
ジェノグラムを作ってみる
午後は、毎月の定例のスタッフ研修を三滝堂HUGハウスで行いました。

 今回の研修の内容は、11月8日に行った「家族療法とグリーフケア研修」の復習と深める作業でした。  11月7日当日に参加できていなかった地元スタッフからも学びたいという希望もありましたので、再度皆で時間を取った次第です。

意見を出し合うスタッフ
書き上げたジェノグラム
研修では、地元スタッフやスタッフが作った事例を用いながら、講師から教えられた家族療法として大切な目標や意識を一つ一つ確認していきました。特に、家族の中のある個人に関わっていても、その家族としての力を信じてみる。その家族やその本人の中にある良いものを探してみる・・・、という作業を皆で確認していきました。
 日頃、関わっている方の話を聴くことに集中してしまうために、なかなか客観的に考えきれない部分もありますが、皆で意見を出し合い考えを出し合っていく内に、出会っている個人・そしてその家族の良さ(力)も見えてくるのを実感できます。事例を提出したスタッフは、皆で検討を重ねていくうちに、「また関わるヒントを頂けたように思える」と嬉しそうに言われていました。

ロールプレイをするスタッフ
このように、自分ひとりで関わるのではなく、関わり方や方向性をスタッフ皆で検討していく作業は、一人ひとりを本当に心強くしていくものだろうなと思いました。

 また、皆で検討していく中で、気になっている方との関わり方を、ロールプレイしてみる時間も設けました。ロールプレイ、は話す側の役割を演じる人も、聞き役の役割を演じる方も、次第に自分自身を開いていける時間にも繋がっていくのが、その醍醐味です。今日のロールプレイもとても有意義でした。グリーフに悩む人の想いをどう受け止めれるのか、大切な人を失った方への後悔の念にどう向き合うのは嬉しいのか・・・・などがとても豊かな学びになったと思います。また、自分の家族の課題に重なったり、自分の心にある大事な思い出に触れて感じたりという自分自身に向き合う時間にもなったようです。

 最後には、クールダウンのために、手作りのローソクを皆で分けあい、HUGし合って労をねぎらいつつ帰路について行く事が出来ました、また来週に良き出会いのために頑張りたい・・・そんな思いになった研修でした。
 スタッフの皆さん、ご苦労様でした。(記:宇根)